[コメント] 草の乱(2004/日)
「120年前に凄いやつらがいた」とキャッチコピーは謳っているが全然凄く感じない。秩父の歴史の中では凄いのでしょうが・・・。演出がひどくて盛り上げどころはほぼ皆無。映像の質感は標準TV並み。この出来ではTVオンエアすら危ういと思う。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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冒頭とラストの主人公。拷問されたわけでないのに(30年で)ヨーダみたいになっちゃうのはおかしくないですか? それともあれから逃亡生活と仲間の犠牲に苦悩し続けたということ? 世間を欺き続けた心労か? それとも立ち上がったことに後悔した? 結婚して子供を何人も作ってるからには30年間苦悩し続けたとは到底思えない。 あまりに不自然。 きっと一人走りする特殊メークの手を誰も止めることができなかったのでしょう。 若い頃も含めて、緒形直人の演技は金縛りにあっているような感じがする。
肝心の農民の貧困の描写がほとんどないまま、自由民権の盛り上がりばかりで全体の半分以上時間を割いている。反乱に立ち上がってからも見所はなし。それぞれの最期すら描いていない。こんなに見所のない歴史もの初めてみました。登場人物がやたらと多いのも史実をそのまま引用しているようで混乱を招くだけ。脚本の手抜きとしか思えない。
結局のところ、井上伝蔵が最期で言ったように「秩父事件は暴動ではなく、国事犯だった」ということを言いたかったのでしょう。 このため民権運動の描写に時間を費やしたのでしょうが、困民軍の統制が取れなくなった段階でもう暴動だと思うのですが・・・。つーか、本作でも他の地方の運動家が言っていたけど、理由の如何を問わず焼き討ちは立派な暴動でしょう。
主題が不明確ですね。本作を推薦する文化庁はどの辺を推薦したいのでしょうか?
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