[コメント] ポーラー・エクスプレス(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
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パフォーマンスキャプチャーは素晴らしい。美しい風景や光は勿論のこと、「絶対にこんな上手い子役はいない」と断言できるほどのヒロインの少女の細かい表情、そしてパジャマの素材の柔らかさやシワのより具合など、細部にわたりリアルさが見事に表現されている。
ストーリーは、良い意味で普通。期待通りの王道なので安心できる。その「普通」の中でも、大人と子供の関係がしっかりしており、車掌が子供を甘やかさないのに好感が持てた。
・・・こんな素敵な作品なのに、穿って見てしまう自分がイヤだ。
まず、ヒロインの女の子が黒人だったり、乗客の子供に日本人(もしくは中国人)の男女が混じっている。なんか、いかにも教科書通りというか、悪い言い方をすれば偽善的にも感じてしまった。
というのも、昔聞いたのだが、例えばアメリカの何かの冊子の小さなカットで「子供が何人か、お医者さんに注射を受けているシーン」というのを描く場合、「医者は必ず白人以外の女性」「子供は男女あらゆる人種取り混ぜ」「子供達の集団の中に、必ず眼鏡をかけた子をひとり以上、車椅子に乗っている子をひとり以上」を描かねばならないという、暗黙の決め事があるそうな。この映画を観て、なんとなく、その話を思い出した。
そして終盤、広場でロックの演奏。あれ誰がどう見ても、スティーブン・タイラーじゃんか!どういういきさつがあったのか、もしくはカメオのつもりで笑わせるとこなのか知らないけれど、こういう童話でいきなり現実に引き戻すような手段はやめて欲しかった。それに、欲を言えばあのシーン、ロックじゃなくてもっとファンタジーを感じる音楽にしてくれよ。
・・・と、この映画のアラを探してしまう私の元に、ポーラー・エクスプレスは来てくれるといいな。
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