コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] バッドサンタ(2003/米=独)

ぐーたらビリー・ボブの“聖なる”…いや、“性なる”サンタには恐ろしい程ハマる。逆に、小さな感動を生ませる脚本はうまいが、どうもメッセージ性にパンチ力が無いのは惜しい。ま、こんなR−18クリスマス映画があってもいいよねぇ
ナッシュ13

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







撮影後に若くして急逝し、惜しくもこの作品が遺作となってしまったジョン・リッターに捧げられた映画。

ゴーストワールド』で高い評価を得た理由も頷けてしまうような、そんなテリー・ズウィゴフの計算高い演出が光る。また、コーエン兄弟が製作総指揮を手がけているもの何かわかってしまう喜劇でもある。太っちょ少年との交流ばかりを描くのではなく、あくまでも視点をビリーボブに絞り、中年男性の悲哀をひたすら綴っていく展開もよろしい。

ラストの展開は楽しいが、上手くまとめあげすぎていて「美化」しすぎている点が気にはなる。ジンがマーカスによって簡単に命を落とすところもそうだが、マーカスが突如としてウィリーを裏切ってしまうのも不自然すぎる。確かに「もしかしたら裏切るかも」という意識付けをさせる場面もあるのだが、あまりにも伏線が無く安易すぎるだろう。ただ、ウィリーが警官に銃撃されるものの無事だというのは無理矢理すぎるが、太っちょキッドの為にはこれ以上無いオチ。これだけは許す(笑

いやでも、いつも思うのだがビリーボブの演技幅の凄さには頭が下がる。当初はウィリー役にロバート・デ・ニーロショーン・ペンジャック・ニコルソン、そしてビリー・ボブの名前が挙がっていたらしい。諸所の事情でこのような配役になったらしいのだが、個人的にはこれで正解かと思う。ビリー・ボブはサンタとかけ離れた風貌で、そのミスマッチなところが良いし、それでいてコメディをうまくこなせるとしたら上記の中では彼しかいないからだ。

確かにショーン・ペンあたりが悪態つきながらあんなことからこんなことまでヤっちゃう……ってのも面白いだろうけど(笑

ちなみに自分がいちばん唸ってしまったのはタイトルの場面。ゲロをバックにタイトルかよ!!笑。かなーり緻密な演出。ありゃスゴイ。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。