中盤辺りのネタ振り（王女のシーン）から、こりゃ韓国版『ゴースト』だなと想像がついてしまった。そこから先は、小道具の使い方は上手だと思ったが（特に小説の隅に書いたパラパラマンガが気に入った）、展開が遅く、何かダルかった。

　チョン・ジヒョンは相変わらず凄く魅力的で良い。『猟奇的な彼女』で魅せた屈託の無いキャラが凄く好きなので、前半は特に楽しめた。傷だらけの後半は、女優としての彼女の才能を垣間見ることができたが、期待したイメージからガラリと印象が変わった彼女は、見ていて何か辛いものもあった。

　『ゴースト』を下敷きにした様なストーリーに不満は無かったが、チョン・ジヒョンのキャラを生かすのなら、後半はストーリーを変えても良かったように思う。最後にチャ・テヒョンが出てきたが、この男のヘッポコぶりも使わず終い。詰めの甘さを感じる惜しい作品だった。