[コメント] 岸辺のふたり(2000/英=オランダ=ベルギー)
たった8分間と言う一瞬の時間で、一つの奇跡的なまでに美しく、そして同時に残酷な物語を描き、観客のハートをぐいぐいと刺激する。その素晴らしさに、鳥肌と涙が同時に出る。 2004年12月26日劇場鑑賞
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
8分間と言う短さの中で、こうも観客の心を動かすのは並大抵の事じゃないと思う。勿論、コレは映像と物語がマッチし、そこに素晴らしい音楽の力を借りているだけ、ともいえる。けれども、そうやって軽薄な感動を生み出そうとあからさまに「狙った」映画には数多く出会ってきたが、たった8分間でここまで心にスーッと感動が染み込んで来るような優しい感動は、例えそこに音楽の力がいくらあろうと、映像が上手く効果を示していただけであろうと、本当の感動であると俺は信じる。
文字通り、雨の日も風の日も父を待ち続けた少女。一つずつ歳を取り、気の合う友人が出来、恋人が出来、子供が出来、ババアになっても、それでも父の帰りを待つ、と言う一連の流れは、現実ではありえない物語で、非常にメルヘンであるが、だからこそ染み渡る感動、と言う物がココにある。
最終的に、彼女に起きる奇跡。それは彼女の死を意味するのだろう。あの川は所謂三途の川であり、幼い時に亡くした父をひたすら探し続けた彼女は、死んだ時、初めて父と出会う。
ここで描き出された暖かく美しい一つの「奇跡」の物語は、その残酷さ故に一層美しく輝く。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。