[コメント] 五線譜のラブレター De-Lovely(2004/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
伝説の作曲家コール・ポーター(だっけ?)の一生。って誰ですか、それ(ぉぃ)
この人に関しては何も知らない。ほんとに。でも、予告見た時に何か聞き覚えのある曲があったし、こういった「芸術家を支える妻との気長な愛」って物語は個人的に割りと興味のあるジャンルなので見に行った。
で、まぁ、以外にさらりと描かれているけど、このお方、両刀使いだったんだわね。あわわ。予告からは全く想像できねーや。
◇
映画を見れば分かる通り、彼の生み出す作品は素晴らしいと思う。本当に。そして、その一曲一曲込められた愛の深さをこの映画はしっかりと提示する。ブルジョワの観客ドモが(って言うかブルジョワじゃないかもしれないけど、まぁいいや。その方が響きがいいからブルジョワにしとこっと)分かりもしないのに、綺麗な衣装着て、気取って鑑賞して、訳も分からず拍手してオ芸術を鑑賞した気分になって喜んだり、評論化が冷静に作品を批評する。その根底には、彼の海よりも深い愛がそこにあったのだ。それらは、観客や評論家のどんな評価にも屈さない程の素晴らしさを秘めている。・・・はず。
で、俺はミュージカルシーン等にどうにもこうにも、イマイチノリ切れなくて面食らったのだが、Let's do it, Let's fall in love !という明るいフレーズにワクワクし、妻の死期が近い時、最期に妻にせがまれて「声が出ないよ」と苦笑いしながら歌ったあの曲に思わず涙した。音楽の持ちえる力が、そこに集約され、ソレを「愛」と言うメロディーに乗せられて吐き出される。
勿論、その「愛」と言う奴は、純粋に妻に対してだけではなく、“彼氏”に対してというのもあるのかもしれないけど(笑)
◇
物語の構成は予想通り回想形式だったのだけど、安易な回想形式に陥らず、自分の半生を描いた彼自身の脳みその中だけの幻想の様な演劇(ミュージカル)を用いて、劇中劇として描いているのは、作り手がミュージカルの演出家としての彼、作曲家としての彼、一人の女性を愛した男としての彼、と言う、とにかく「コール・ポーター」と言う芸術家を尊敬し、敬意を込めている証拠に思える。
ノレなかったんだから、しゃーないか。個々として素晴らしい箇所は何箇所もあり、そこで一気に盛り上がったり、感動し、涙が出たのも事実。ただ、それ以外の場面では、どうも俺は冷め切って見てたんだよなぁ・・・あーあ、もったいない。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。