全体を通してストーリーをナレーションで進行しており､ドキュメントに近い作り｡

話自体は､孤独に生きてきた男が初めて愛する人との充実した結婚生活を体験するが妻の死によって再び孤独な生活に戻されるというよくあるもので､ドラマ性もあまりなく､展開もけだるい｡77分という上映時間じゃなければとても最後まで見るのは辛かったと思う｡

この作品はタイトルが｢トニー滝谷｣でなおかつ途中までトニー滝谷の心情をナレーションで描いていたわけだから､彼の妻や面接に訪れた女性の心情をナレーションで語らせるのは枠から外れすぎで､やや一貫性に欠ける気がする｡それと､イッセー尾形がトニー滝谷を学生時代から演じているが､全然学生に見えないのが辛い｡