[コメント] 戦場(1949/米)
良質の作品だ。この作品には日常的感覚がある。戦争という非日常との対比が見事だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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例えば「新聞」が出て来る。兵士達はこぞって新聞を読む。勝っているのか、負けているのかを知る為だ。新聞というのは如何にも日常的だ。しかし彼らの前にあるのは霧に閉ざされた先の見えない戦場なのだ。
またこんなシーンがある。ある兵士は靴が小さい為、履くと痛いので寝ている間は外へ放っておく。場所は森の中で穴を掘ってその穴倉に寝ている。靴は穴の外に放ってある。朝の敵の襲撃で流れ弾に当たり、穴から出ることなく、彼は死んでいく。残ったのは穴とその前に「足に合わなかった靴」だけ。静かなシーンだが心に残る。
人を殺すシーンも、正視させない隠れた撮り方をしている。これも日常感覚だ。好感が持てる。
もう一つ、主人公ののセリフ「俺には軍隊の水が合っている」町で女と親しくなったり、行軍中生卵を持ち歩く、陽気で楽しい主人公にこう言われると日常的な職業感覚の発言だなぁという気がしてくる。
ラストは彼らはことさら大手を振って行進する。生きていて良かったと言わんばかりだ。これが日常的感覚だ。
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