[コメント] 少女ヘジャル(2001/トルコ)
良い意味でも悪い意味でも「ヘジャル」と言う聞き慣れない名前のような映画。
ファーストシーン「ヘジャル」という名前の少女が写った瞬間、何か違和感を感じてしまった。 ベタなわかりやすい可愛い少女ではないのだ。どこの国の子なんだろう。ヨーロッパでもアジアでもない第三世界の顔。話が進むにつれてこの話がトルコだとわかる。そしてトルコの国の中にも人種問題があり、彼女は差別されているクルド人だとわかってくる。その彼女の顔がこの作品にドキュメンタリーな風を吹き付ける。
ストーリーは王道(老人と少女の交流)で、映画的な表現はやや未成熟、しかしあまり知らないトルコ映画という眼鏡で観れば、少し前のイラン映画などががうけたように「素朴」さが魅了する。そして複雑なトルコの国の社会情勢が物語に影を落とす。その影がこの映画のリアリティを支えている。
ラストシーン、また「ヘジャル」という少女のアップが写る。物語のレールに連れられてきてラストまで来ると、その顔にはもう最初に感じた違和感は消え、ほんの少し”美しさ”を感じた。
けどやっぱり「ヘジャル」という名前はキャサリンやローラやアンとは違い、違和感というトゲの感触が少し残る。
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