まず、豊川悦司が実在しない人間であることは、序盤の「君は今回の事件がハサミ男の犯行じゃないと知っているこの世でたった２人の人間のうちの１人なんだよ」という台詞ですぐに気づかされる。

その他にも「気持ち悪い声」「足跡が発見されない」「部屋に飾ってある遺影」などから自殺した父親だと次第にわかってくる。

次に阿部寛。３人目の犠牲者・樽宮由紀子とファーストフード店に入っていく中年男の後姿・背格好から容易に背が高い男だとわかってしまう。これは致命的。

それに輪をかけるように犯行現場で見つかったもう一本のハサミを巡って、犯罪心理分析官とは到底思えない推理をしてしまう。

２本のハサミが共にハサミ男の物で、１本は予備だとしても、これまで用意周到だったハサミ男がわざわざ研ぎ方が雑な方のハサミ犯行に及ぶ筈がない。

最後に真犯人である知夏（麻生久美子）が無罪放免ってラストはやっぱり気持ちいいものじゃないね。