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[コメント] 恋する幼虫(2003/日)

「行為」はセックスの象徴、この映画は「童貞力」の産物。それゆえに成立している一種のロマンス…ということで良かったのではないか。なにも説明せずとも良いだろう。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







カブラペンを頬に突き刺したことによる傷から、ヴァギナと食虫植物を混ぜこぜにしたようなデキモノができ、そこからカニ足状の触手が生えて血を吸う…。

これはどういう事なのかと自分も最初は思ったけれども、荒川良々が幼時にセックスをグロテスクなイメージに置き換えて見たのと同じように、これもセックスのアナロジーなのだろう…そういうふうに観た。だって「行為」の最中お互いはエクスタシーに達し、あのロマンティックなメインテーマで盛り上がるのだから。それゆえに、荒川は彼女に「血を吸ってください」と頭を下げたのじゃないか。

だから、ラスト近くに街が同じ吸血人どもで溢れかえり、あちこちで「行為」に耽るのは解せなかった。あれは個人的な儀式であって、人前でやるもんじゃないだろう。そして、荒川の「最終形態」は悪趣味なギャグだ。ひとつの恋愛劇をあれでしめちゃいかん筈だ。最後にきて一気に萎えてしまい、かなり残念に思ったのが事実だった。

(評価:★3)

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