[コメント] 極道の妻たち 情炎(2005/日)
血飛沫の表現は北野武『座頭市』の影響もあるか。3つあるアクション的見せ場のカット割が思いのほか明晰で見やすい。高速度撮影の多用は功罪半ばだが決め決めの使い方で燃える。言語を介さない高島礼子と杉本彩とのダンスシーンの素晴らしさ。台詞に頼ってしまう弱いカットもあるが、全般に動物や食べ物の湯気、水面の揺らめきなど無関係のものを積極的に画面に取り入れ運動感を高めようという努力が見られる。
冒頭、大雨の中高島礼子がスロープの向こう側から逆光の照明でシルエットとして駆けてくる。夫が死体で発見されたからだが、ここで大々的に映される夫の刺青は、後に雨の夜に高島礼子が夫の幽霊と遭遇する場面のためのもの。更にこの第一ショットはエンドクレジットで未向によって反復されることになる。橋本一の演出的努力は本作では実を結んでいると思う。これは再評価されるべき出来だろう。
仙元誠三の撮影も実に艶やか。病院の廊下の照明に到るまで手を抜いていない。
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