[コメント] プロミスト・ランド(2004/イスラエル)
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
あまり偉そうなことを言えるほどギタイ監督の作品をまとめて観てはいないので、勘違いや事実誤認は御容赦のほどを…と、まず断っておいて。
東欧から人身売買によってイスラエルにやってきた女性たち。まずここで、これがイスラエルだけの問題ではないことが分かる。さらに、彼女たちの身辺に直接外国人が関わっていることもポイントだ。彼女たちの面倒を見つつ、暗に「長いものには巻かれろ」と匂わせる世話係の女性(ハンナ・シグラ)。彼女たちを気の毒に思っても、何もなす術がない英人女性(ロザムンド・パイク)。
そして、彼女たちのそんな苦しい日々は、ある晩に起きたパレスチナによる(と思われる)テロによって終わりを告げる。注目したいのは、このテロ事件が、彼女たちが自由になるためのきっかけとして利用されている点だ。これまでアモス・ギタイが自国内のテロを決して肯定的に描いてこなかったことを考えると、革命的とも思える発想の転換を感じるのだ。
もちろんテロが正義だというわけではない。しかしこの姿勢は、テロの善悪などといった問題を超越している。国内の問題よりもさらに重要な“大義”をギタイが視野に入れたということではないだろうか。この先、その視野がさらに広がっていくことを期待しつつ、転換点となったこの作品を歓迎したい。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。