[コメント] カーテンコール(2004/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
映画というのは常に多くの観客に指示されて生まれ育つものですね。でもこの作品はそんな大衆的な世界を孤独の中で培う影に隠された人々について丁寧に描いています。
映画は大きく3点に構成されています。
1、古き良き時代の映画館 2、子供を捨てた親との再会 3、まだ残る人種への偏見
私はこの映画でおお泣きしたんですが、観終えて一番強烈な印象として残ったものは、3番目のことなんですね。
これ実は朝鮮人に対する偏見について小さく描いていますが、映画がまだ活況だったころを支えた人々の中に、朝鮮人の方がいらっしゃったことに新しい発見をしたんですね。
これってまるで傷痍軍人と同じではないでしょうか。
彼らにとって祖国とはいったどこになるのでしょうか。
日本という国で育まれて、時代に翻弄されて、親も子もない離別を受け入れなければならないこの事実の裏には何が隠されているのでしょうか。
今ちょうど、国で高校の授業を無料化する動きがあって、その中で朝鮮学校を排除しようとする動きがありますね。
もちろん”感情的”には理解できますが、実態を見て、そしてこの映画を見れば、人としてそんな措置が正しいとはとても思えなくなってしまいます。
結局これって政治の責任なのではないかと思えてしまうんですね。
映画の全体は非常にソフトにこれらの問題を包んでいますが、離別や差別を受け入れることを思えば、人としてもう少し日本人も他国のみなさんを受け入れ理解してあげるべきなのではないでしょうか。
2010/02/28 自宅
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