[コメント] BORDER LINE(2002/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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この映画はある意味ドキュメント。描かれている話は、どっかで実際に起こっていることばかり。日常で誰かや自分が決めた「ボーダーライン」なんてあってないようなもの。自ら進むでもなく、悪魔に魂を売り渡すとか特別のことをしたのでもなく「気付いた時って、なんでいつも遅いんだろうね」的な感じに、ちょっとした弾みで簡単にラインの向こう側へと踏み込んでしまう。あとはそこから落ちていくのはあっという間。
「おいおい人のせいにばっかしてんなよ!!」ってなドラマをどっしりとした演出で見せられ、その人間が自ら運命にはまり込んでいく様を見せつけられる。すっかり俺の気持ちは落ち込んだ。これがハリウッドなら、啓示的な奇跡が起きてファンタスティックに元に戻ったり、違った道や可能性見せて希望を与えてくれたりするんだろうけど、この映画にそういうことを期待してはいけない。だから見終わった後は家を買うのも子供を学校に行かせるのもなんだかとても恐くなる。「そうなんだよね、実際日本って病んでるよね」ってつくづく思い知らされる。でもそれが今の日本の現状だってわかっていながら知らん振りしてるの。自分でもわかってんの。傍観者にすらなってないことを。その現実に気付かされちゃうこんな映画ばっかりだと、俺生きていくのいやになっちゃうよ。。。
キャストは、とても充実していて皆はまり役。素晴らしい演技を見せてくれる。ただし田中要次だけは喋っちゃいけないよ。
テレビが騒いでる。また少年犯罪だ。事件を起こしてテレビで有名になりたいというのが少年の動機らしい、という報道をテレビでやっている。なんなんだこのパラドックス。何なんだその想像力の乏しさ。
BORDERLESS.
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