[コメント] 天下あやつり組(1961/日)
大好きな中村鴈治郎が吝嗇家の御家人と将軍様の二役を嬉々としてやっており、私としてはそれだけで充分楽しめるのだが、一般的にはプロットも配役も弱過ぎるというか、いかにも添え物という感覚だろう。
川崎敬三が主人公でヒロインは浦路洋子。川崎の弟役が中村豊で、この人もいつも弱々しい(或いはぎこちない)演技だが本作では結構目立つ役。川崎の姉に藤原礼子。と云っても今やこの女優を知っている人も少ないだろうし、後はお婆さん役の北林谷栄が一番のビッグネームという配役。だがしかし、流石天下の大映です。配役はチープでも美術やセットはまだまだ豪華で例えば川崎がサンスケをやる風呂屋のセットだとか江戸城の時計の小道具だとか目が引き付けられる。池広一夫の演出も洒脱で調子がいい。川崎と中村の兄弟が結局「金じゃ操れないもの」があることを思い知るというエンディングは決してお説教臭いだけではない爽やかな複雑さを残しており、良いと思う。
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