[コメント] ウィスキー(2004/ウルグアイ=アルゼンチン=独=スペイン)
映画を見終った人むけのレビューです。
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ウィ (にっこり) スキィー (にっこり) な内容じゃなかった!人生って良いね。って内容じゃなかったー!こんな悲しい姿観たくない!
「ほのぼの心暖かくなれるだろー♪」と鑑賞。終わりに進むにつれ、「ちょっと雲行き怪しいなぁ・・」と頭を過ぎりはしてましたが、そんな思いは払いのけ鑑賞続行。なのにー!見事嫌な予感的中。いきなりプッツリと終わり。「あ゛〜〜〜こんなの観せんなよー…触れ込みと違うじゃんよー。」と、ドーッと心が重くなってしまって、、感傷に浸ってしまいすぐには席を立てなかった。
気持ちよくなる気満々で、劇場横のカフェでビール一杯引っ掛けて観たのに。アルコールのせいで、物悲しい気持ちが増しただけでした。失敗。
初老に差し掛かった中年から、それ以降の年代の方のこーゆーお話、嫌いじゃないけど・・心が痛むと言うか、もう観たくない。大袈裟に言えば、見るに見かねると言った心境です。心が締め付けれられる思いをするから。
当初マルタ(ミレージャ・パスクアル) は、ハコボ(アンドレス・パソス) が気になっていたと思う。 恋と言う感情と言うか、家族がないマルタにはハコボは家族の様なほっとけない存在だったと思う。 ハコボもハコボで、マルタに対し同じような感情を抱いていたと思う。
一般論:言葉が全てじゃない。って事は分かっていても、思った事をすぐ口に出さずにはいられず、相手にも率直な意見や気持ちを求める私には、口には出さない心の奥を読むというのは難しくて、この推測に自信はないのだけれど。
擬似夫婦仲になるにあたり、少し接近したマルタとハコボ。けれど、無口でつれないハコボ。 それでもそんなハコボの性格もマルタは分かっていたと思う。 が、そこに現れた陽気なハコボの弟エルマン(ホルヘ・ボラーニ)) 。 鬱屈とした日々を過ごしてきたマルタにとって、人と接し笑い合える楽しさ・優しさ・ぬくもり・新鮮な(生まれ変わったような)毎日と言う生活に触れたマルタは、もう戻れなかったのだと思う。 今迄抑えてきた?気付かない振りをしていた?諦めていた?様々な感情が堰を切ったように溢れ。
エルマンと別れの朝、空港のカフェでマルタとエルマンが二人きりの時、「私もブラジルに言ってみたいわ。」ってマルタが言う。エルマン 「来てみると良いよ。良い所だよ。俺は仕事で居ない事の方が多いけど。」 …このシーンがとても印象的。深読みかもしれないけれど、エルマンは素っ気無い気がした。切り捨てるような感じ?
その前にマルタがエルマンにメモを渡し、「飛行機の中で読んで。」 と言った時も、エルマンは ”?” といった素振りもせず、妙に納得が早いなと。陽気なエルマンの事だから、その時何かジョークのひとつでもありそうなもんじゃない?と思ったし。(「俺にラブレターかい?」とかさ)となると、その手紙の中身の大凡が分かる様な互いに通ずる、了解しあう何かがあるわけで…前日夜に部屋で!?と勘繰ってしまう。
が、前日夜、エルマンの部屋に訪れたマルタ。2人は他愛も無い会話をしただけと思いたい。
ハコボからお礼の札束をマルタが受け取った時も、心ここにあらずだったのではないかと思った。札束は包装紙に包んであったけど、あの量を持てば多額と分かるはずだし、気付いたら黙って受け取らなかったと思う。
擬似夫婦が終わった翌日、マルタは工場に来なかった。遅刻や欠勤ではないなと予感がある。マルタとエルマンの知らないハコボの行動や戸惑いを見た私は、ハコボを思うとため息しか出ない。はぁ...
05.06.16@シネ・アミューズ / 05.06.28 記述訂正
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