[コメント] 水の中のナイフ(1962/ポーランド)
瑞々しい映像、醒めた音楽。一見おシャレな映画かと思いきや、描かれていることはかなり醜い。
広い水の上とはいえ、ほとんどがヨットという閉塞状況のもとで展開する異常心理。大人になりきれてない男が、青年を見下すことで優位を保とうとする。見下されることでコンプレックスを刺激される青年。さらにはその2人に愛情と軽蔑の入り混じった視線を送る女。光の屈折具合でキラリと光る水の中のナイフのように、この一見他愛のない戯れのなかには、明らかに殺意に似た感情が潜んでいる。監督の歪んだ心理を見るような長編デビュー作。中途半端な終わらせかたが、また歪んでる。
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