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[コメント] 水の中のナイフ(1962/ポーランド)

幻想。(レビューは冒頭からラストに言及)
グラント・リー・バッファロー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







何事もなかったかのように、また車を走らせる無表情の二人。あの若者は二人にとって胸をざわつかせる存在だった。すべては霧深い森の中で二人が見た幻、二人が胸に秘めている不穏な空気を具現化したものだったのかもしれない。無表情であればあるほど、二人の関係の緊張が際立つ。水の中にあるはずのナイフだけがすべてを知っている。

これだけ限定された空間で撮っているにもかかわらず(いや、むしろ限定されているがゆえかもしれないが)、船上から草むらをかきわける場面に切り替わるときなど、シーン転換のたびにどきっとさせられた。あの不穏な音楽といい、なんて胸の内を荒らす作品なのだろう。

(評価:★4)

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