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[コメント] ザ・インタープリター(2005/米)

ポラックの研ぎすまされた流麗な映像に社会派サスペンスをブレンド。そこにキッドマンペンと言う2大スターの競演。贅沢な味わいを堪能出来る。
TOBBY

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







役者も長いキャリアの中で、それぞれに過渡期やピークなどあるものだが、まさにキャリアを重ね脂がのってる印象なのがペン。しかしオーラは発しつつもエネルギッシュな情熱迄は発散しておらず、演技がクール過ぎてしまい、いつもの個性は薄い。ダニエル・クレイグ辺りに交替しても差し支えない無く感じてしまう。

一方キッドマンは幸か不幸かいつも強靭な存在感が目立ってしまい時に強さと意地悪さが美貌の中に過ってしまう場合が有る。しかし本作ではドラマティックでミステリアスで、窮地に追い詰められる役を非常に美しく撮られており素直に美しさが際立つ。しかし、美しいだけでは物足りなさを感じなくも無い。

一見、秘密を知ってしまったヒロインとそれを助けるボディガード的な脚本に思いきや複雑に過去を絡める社会派な脚本は練られてはいる。でも、やや平板に感じなくも無く、集中力を欠くと解りづらいのが、いまいちメガヒットになり得なかった要素のひとつ。ただキッドマンが薄幸なヒロインで終ってしまうはずもないので、そうそう、こうでなくちゃ!と中盤以降で盛り上がる。

個人的には知的で都会的なキーナーが贔屓なのだが、髪を振り乱して階段を駆け上がるシーンなど最高に格好いい。何はともあれポラックの変にダークライトを多用しないシルバリーな明るく流麗な映像と、ビッグスターの競演で満足してしまう。が、深夜の地上派放送故、お得な気分になれたけれど1800円のチケット握りしめて映画館で観賞となると…その辺りで評価もぶれそう。

(評価:★4)

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