成る程、入れ替わった千織の実体じゃなくイメージとして真理子をオンブしている図だと、映画を観て納得。

本作で毒気のある人物というと、真理子の嫁ぎ先の姑くらいでしょうか？　まぁ、あれも毒気があると言うより、お家の事情。

卵嫌いのエピソードとその伏線に使うオムライス。

初潮を巡る入れ替わりへのヒント。そして、それが伏線となり”オンナ”である千織と真理子自身の心の葛藤。

原作者浅倉卓弥氏は使い古された設定でも、処女作から敢えて挑戦し、それぞれの登場人物の心の喪失と再生を描ききっていると思います。

特に、家族がないはずの真理子が、あんなに沢山の”家族”から好かれ敬われていたのを端から知るシーンには貰い泣きさせて頂きました。

性善説を支持（但し日本人に限って）する甘々・お人好しな私の琴線を、静かに穏やかに触れてくれた作品です。文句有ります？（笑）