[コメント] eiko〈エイコ〉(2003/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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前半はかなりイライラしました。エイコの行動全てが腹立たしく、愚かだなぁとついつい見下した目で見てしまう。「被害者にも悪いところがある」っていう考えはあまり好きじゃないんだけど、でもこれを見てると思わず「騙されるアンタも悪いよ、本当!」って爆発しそうになりました。
でもそれが後半になると、エイコの家庭環境や生きてきた道のりが明らかになる。「そんな情報だけで本人を分かる事なんて出来ない」とかいう大野の台詞がありましたが、私にとってはその情報(幼い頃の両親の離婚など)はかなり衝撃で、それまでの常軌を逸したエイコの行動はごく普通の環境で育つ事が出来なかったゆえのものであり、彼女の欠陥というよりも、周囲の大人が原因だという事が分かった途端、彼女を見てイライラしていた自分がものすごく恥ずかしくなりました。単なる一面だけを見て、エイコという人間はこういう子なんだと勝手に決めつけ、勝手にこんな子好きじゃないと拒否していた自分を責められた気分になりました。
そこで初めて「そんな情報だけで本人を分かる事なんて出来ない」という台詞が重くのしかかってきた訳ですが、なんというか、やり方が汚いというか、別の伝え方が出来なかったのかと。言いたい事をもっとマイルドに伝えられなかったのかと。そう思ってしまいました。逆転の発想は最近よく見る手法だと思いますが、この作品での使い方はなんか悪趣味に思えました。結局最初にエイコを拒否した人は、最後には貶められるというのかな。ま、悪いのは自分なんですけど、なんか後味が悪い感じです。こういうの逆ギレって言うのかも知れませんけど。
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08.08.25 記
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