[コメント] 続二等兵物語 五里霧中の巻(1956/日)
今回もコントは不発に終わっているが、その分軍隊批判は凄みを増し、不条理さはここに極まる。そしてラストショットの、静かだが壮絶な台詞は日本人の心を掻き毟ることだろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ラスト:1銭5厘の赤紙で「いくらでも」召集できる使い捨ての兵隊たちが船で戦地へ送られていく。
船上で伴淳三郎と花菱アチャコの二人が「さよなら」と女や女房に別れの言葉を言う。
よくあるであろう演出。まぁ、こんなもんか?・・・と思った矢先に次の台詞が飛び出し、映画は終わった。
「さよなら、にっぽん・・」
そう、私達日本人は良く知っている。多くの召集兵が船に乗せられて連れて行かれた地を。北は極寒の満州・シベリア、南は灼熱のニューギニア、西は豪雨のインド・・・
そして砲弾で身体を切り裂かれ、飢えで戦友の肉を喰らい、マラリヤで死んで逝った事を・・・
恐らくアノ陽気な二人もどこか見知らぬ地で死んでいったのだろう。どんな死に方をしたのか・・・否、どうやって生き延びようとしたのか。
「さよなら、にっぽん・・」
何とも哀しい言葉である。単に祖国を二度と見る事が出来ないかも知れないという別れの言葉ではない。彼等は不条理な宿命に翻弄され、「死」まで強制されようとしている。彼等は祖国日本に愛想が尽きた故の惜別の言葉だったのではないだろうか?
使い捨ての駒として今まさに捨てられようとしている時、その駒が逆に祖国に愛想が尽きて見切りをつけたのではないだろうか・・・軍隊批判に収まらず、壮絶なそして痛烈な国家批判の哀しい言葉であると私は読み取った。
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