[コメント] 愛についてのキンゼイ・レポート(2004/米=独)
真面目な映画を装っていても、それは至って表層的。もっと彼らの内面を描いてくれないと意味がない。ラストも尻切れトンボで「へ?」状態。彼らの挑戦はあのラストシーン以降のはず。所詮、スキャンダラスな人であった、的な視点しか残らないなんてなんだかなあ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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性衝動について研究をするなら、同性愛というカテゴリはごく初期に出てくる、いたって普通に通り過ぎるテーマ。それを殊更に取り上げて描写するあたり、結局キンゼイをつぶした連中と、この映画の製作者も似たり寄ったりということだな。※現に日本でも室町以前から江戸後期まで男色は普通の風俗として文献が残っている。
ちなみにキンゼイ・リポートは多大なデータ量ではあるものの、そのサンプルはアメリカ白人中流層からのみであり、各国の環境や慣習、人種的傾向、そしてもちろん時代と共に推移する性に対するモラル感の違いはまったく考慮に入れられていない、非常に狭い範囲での研究結果となる。この結果が現代には全く適用できないことを考えると本当の意味で不遇の人だったのだなあ。(もちろん建前と事実に関して世界に一石を投じた人と認めつつもね)
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