[コメント] 映画 日本国憲法(2005/日)
この映画のベクトルは違う方向に向いている。[ユーロスペース1]
改憲反対の意図をもって製作されているのなら、「9条にはこういう意義や背景があるから変えてはいけない」という一般論(だいたいそんなことは既にほとんど知っているのだ)ではなくて、「9条を変えると具体的にこういった弊害がある」という角度から切り込んでほしかった。そうでないと説得力などないではないか。
だいたい出演者の顔ぶれからして、どんなことを喋るだろうというのが観る前からほぼ読めてしまっている。改憲派の論客も数人出して、違う立場からズバズバ物を言わせてみたかったよ。まあ、そうすると製作規模が大きくなりすぎるんだろうが…。
ちなみに、本作を観たのは2005年8月、この年の秋に公開の『男たちの大和』完成披露記者会見で、ある出演者が「戦争があったら行くか」との問いに、「家族を守るためなら行く」と答えた…という話を聞いた直後。本作のような“左派”の映画に元気がないから、戦争に行くなんていう発言が映画人の口から飛び出すんだよなあ…と、ちょっと思った。
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