[コメント] 映画 日本国憲法(2005/日)
2010年の憲法記念日にCSで放送されていたのを再見。初見は山形国際ドキュメンタリー映画祭での上映の時だ。その上映の際、確か上映後の質疑応答の時間に、ある若者が違和感を表明していたことを記憶している。その内容は確か、外国人に平和憲法を評価されたりすることにその人達の矛盾を感じる、というようなことだった。自分も、その直感は正しいと思う。端的に言って、何故に軍備放棄の日本国憲法のことを軍備増強の外国人にエラそうに「評価」されなくてはならないのか。それだけで自己矛盾なのだが。それは言わば、意図せざる二枚舌だ。彼らが本当の平和主義者であるなら、他国の憲法に無責任な理想主義を投影する前に自国の憲法を変える運動でもして欲しい。彼らの言説を支える態度は、結局戦勝国的思考の傲慢の域を全然出ていない。しかも善意のつもりなのだから性質が悪い。善意のつもりだから自己矛盾に自覚がないし、随って自己批判もない。
この映画に登場する、ある日本人の知識人に言わせれば、日本国憲法は国内問題ではなく国際問題であるそうだ。そんなバカな…。日本は地に足着かない理想主義の実験場じゃない。その種の無責任な理想主義を日本に投影する平和主義者は、結局現実の戦争を政治の裏面で推進する奴らに利用されているだけじゃないのか?
無闇な戦争拒否の思考停止にリアリティは感じない。だが今の日本では、具体的な戦争遂行を責任を以て国民が主導出来るとも思えない。(まあそんなことを可能にする国家の不可能こそが平和主義の論拠なのかも知れないが。)原則論としては憲法は変えてもよいと思うが、今の日本人にはそれに責任をもてるだけのポテンシャルもない…。平和憲法を変えるにせよ、変えぬにせよ、誰もその責任の本当の意味を自覚しようとしないのであれば、欺瞞は続く。その限りで、戦争の疑わしさと同等に、平和の疑わしさも消えはしない。
(評価:)
投票
| このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。