[コメント] 女優と詩人(1935/日)
収束はホノボノしていると同時に明らかに狂っており、同意があれば何でも成り立つという関係の狂気が漂うブラックな喜劇。ノリの悪さは時代の所為と差っ引きたい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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恐妻ものは戦前コメディの定番だ。ハリウッド喜劇との類似が浮かび上がるが、原作は三遊亭金馬師匠の創作落語。洋邦が合致した処に流行があったのだろう。
千葉早智子が岸惠子に、藤原釜足が柄本明に良く似ている。基本的な観客の嗜好は変わらないものだ。成瀬の家庭もこんなものだったのだろうかと想像させる(千葉は成瀬夫人になる)辺りも秀逸で、未来を先取りする作品を物すのもまた天才の証明だろう。
釜足が小銭と間違い渡すコインを直ぐさま捨てる子供がいい。主演なのに寡黙な宇留木浩も、マリー・ドレスラーそっくりの戸田春子もいい味出している。心中する隣の男女も喜劇のフォーマットを外せば狂っており、何ともブラックである。
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