↑ないない。さすがに（笑）。

でも、この映画見る限りそういう話ですよ。原作では、南への恋、弟の幻影、ライバル、そして自分との闘いなどが、絶妙なバランスで描けているんだろうけど、この映画では「南ちゃんのために」っていう動機付けが一番弱く感じた、っていうか、余計なものに感じた。原作よく知らないけど。

弟の遺志をついでやりたいが力およばず、落ち込んでいる時に「和也に会いたいんだったら同じリングにあがるんだな」と原田に殴られて野球部に復帰してからは、女のいらない話だなあ。現に映画はそういうふうに作られてません？　南ちゃん最後のほうはあんまし話に関係ないんじゃ？　いや、それどころか「長澤まさみ主演映画」ではあるけど、最初っから「浅倉南の映画」になってない。映画の物語として、達也の物語を語ろうとしているのに（南への想いも含めて）、キャスティングで無理矢理にヒロインの映画になっているだけだ。長澤まさみと斉藤兄弟のオーラの差で、観客が主役が誰だか錯覚してしまっているのだ。

余談。新田役の福士誠治君って『スウィングガールズ』の野球部員役の時は右打ちだったはず。原作に合わせてわざわざ左打ちにしたのかと思ったら、原作の新田も右打ちらしい。なんで？　せっかく野球経験もあって右ではいいスイングしてたのに。これだけ野球シーンの多い映画なんだから、構図よりも断然野球の演技の質にこだわるべきだった（しかも「左うち」の構図でなにか良かったことでもあったのか？それもよくわからない）。