[コメント] 姿三四郎(1943/日)
戦争は、ゆるしがたい。
姿の得意技は、何を隠そう伝説の山嵐である。モデルの講道館四天王の一人西郷四郎は、小柄な体格で何とか大柄な相手を飛ばそうと、この伝説の大技を生み出したのだ。彼が一度投げると、相手は孤を描き畳にめり込むほどであったらしい。
西郷は猫とも呼ばれていた。どんなに投げられてもいつも腹ばいで落ち、一本にならなかったという。彼は屋根から飛び下りて受身をする荒行をしていたと聞く。彼は猫を見て、身軽な振る舞いを研究したと思われる。
本編でもカット前には、猫を見て、身軽な振る舞いを思いつくシーンがあったようだ。このシーンは、捨てがたいシーンだ。カットをした、戦争の脅威は許しがたい。
そして、この映画はカットされすぎていて、はっきり言って訳のわからないところが多すぎる。いったい飯沼とは誰か?と、問いたくなる。
DVDがでて、カットされたシーンが60年ぶりに、いくらか復活している。これはとてもありがたいことだった。だが60年は取りかえしがつかない。和尚との会話で飯沼の存在が明らかになる。そして檜垣と姿の、精神世界もわかった。が、しかし黒澤監督は、その最長版を見ることなく死んだ。戦争は意味のないことをしたもんだと、つくづく感じた。
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