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[コメント] 蝋人形の館(2005/豪=米)

やけに長い序盤のジラしから、一体どうなることかと思ったけど
くたー

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







あの見るからに痛そうな器具がトレイに並んでいるのを見た瞬間、一気にホラー好きのボルテージが上がりました。やっぱ器具だよなー器具!みたいな(汗)。

その後の展開も盛り沢山で、扱う素材的にジワジワと迫る苦痛がメインかと思いきや、ちゃんと鋭角的な責めをバランス良く散りばめていて、なかなか飽きさせない。しかも、ニッパーでチョンっとか、皮膚がベリっとか、外そうとして首がポキっとか、グロいけど思わず引きで笑いが出るようなテイストもあり。個人的には好きデス。恐怖と笑いというのは、実はそんなに縁遠いモノではないと思うのです。

しかしやっぱりこの映画の魅力の半分は、細かいものから大掛かりなものまで、その背景のアイディアに富んだ作りこみでしょう。あの無駄に緻密そうなカーテン際の老婆の装置とか、街の照明を一箇所で操るトコロとか、偏執的な箱庭魂(?)を感じましたね。それとあの人形制作の蝋の噴霧機。妙な仰々しさに思わず笑ってまいましたよ。こういう荒唐無稽なまでの作り込み精神は、観ていてホントに楽しい。

双生児の結合と分裂を骨子に置いたストーリーは、思いの外コケ威し的な要素も少なく、意外に丁寧な話運び。そこにアイディアに富んだデコレーションを施した一品として、少なくとも今までに観たダークキャッスルものの中では、一番面白かったデス。パリス・ヒルトン嬢の思い切りの良い殺られっぷりもアッパレ。

追記1:ラストは蛇足でしょうね。個人的にひと捻りするとすれば、遺品のハンディカメラに衝撃の映像が!みたいなオチにしたいですね。前半部でハンディカメラを視線のすり替わりとして面白く扱ってたのだから、もっと効果的に使って欲しかったという不満もあり。もしどうしても誰かを生き残らせたいのなら、母親が生きてた方が怖かったかと。回想シーンを観る限りでは、かなり腕っぷし強そうだし。

追記2:全編亘ってあまり怖さは感じられないけど、強いて挙げれば映画館のシーン。調子の狂った自動人形のようなベティ・デイヴィスの歌とダンスと、それを観る蝋人形の群れ。この悪夢でも見ているようなシチュエーションは秀逸、と思いました。

(2006/11/14)

(評価:★4)

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