[コメント] わが青春に悔なし(1946/日)
男性的な力強さが魅力の黒澤明が、女性を主人公にした作品を撮ったらどうなるのか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
主人公を演じた原節子さんの作品は初見なので、小津安二郎がどう彼女を使い、どう撮っていたのかはまだ知らないんですが、この作品の原節子さんは色んな意味で凄い。特に独房にいる時のうつろな目は凄い。これまでの輝くようなお嬢様の瞳は力を失い、まさに死んだ目をしていました。本当にこれまでの原さんとは別人かと思ったくらい。そして後半の農作業をしている時の逞しく力強い目。ゾクゾクした。(この目を見た時に、私は初めて"あ、これは黒澤監督作品だ"と実感もしました。)
目だけでこれだけ色んな感情を演じ分けられる事が本当凄いと思ったし、それを撮ろうと思った黒澤監督も凄い。
でもやっぱりこの監督は男性的映画しか撮れない人なんだろうなと思いました。こんな女性、絶対いないもん。そんな存在しえない女性を演じきった原節子さんはやっぱり凄い。
----------
08.06.25 記
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。