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[コメント] 恋のミニスカ ウエポン(2004/米)

バカ映画の体を成しつつも色んな壁をヒョイヒョイと飛び越えてしまう恐るべき跳躍力を持っており、その一点突破ぶりは気持ちがいい。
Myurakz

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 この手のヤングヒーロー映画に必ずあるはずの説明、例えば「何故D.E.B.S.は女子高生で構成されているのか」とか「そのバックボーンには何があるのか」とか「組織に入るときのエピソード」とか「トップチームになった経緯」とかが、もう見事なまでにスッパリと飛ばされて物語は始まります。「お前らいいか、これはこういう物なんだ。目の前にあるもの、それが全てだ」みたいな有無を言わさぬゴリ押し感。これはスタート早々に頭を空っぽにできてかなり良いです。だからこそ逆に彼女たちのアクションが(走り方すらも)グダグダなのも許せるようになる。

 そしてそんな些末な物をふっ飛ばした勢いを駆り、今作はそのまま「女性同士の恋愛である葛藤」をも飛び越えてしまいます。そんなことは些末なことだと言わんばかりに、葛藤はあっという間に「善と悪の恋愛」の方に走り去ってしまう。映画自体は楽なコメディですが、こんな問題を意にも介さず飛び越えたそのフットワークはちょっと感動ものです。

 またそこにはルーシーの相棒スカッドの存在も大きく響いています。彼が友人の男性としてルーシーをバックアップしていることで、エイミーとルーシーの恋愛に対して一つ優しい視点ができ、それが観客のスムーズな感情移入に繋がっているんです。「さぁ、行こうか」「どこへ?」「彼女を取り戻すんだ」なんてくだりはかなりご機嫌なシーンとなっており、我々の頭からも「女性同士であること」なんて吹き飛んでしまいます。

 そんな足取りの軽さが非常に軽快なトーンを醸し出し、尺の短さも相俟って結構楽しく観ることができました。実際あれだけ説明をはしょった挙げ句に「尺が短い」っていうのもスゴい話で、史上初の「同性愛スパイラブコメ」として割とよくまとまっていたように思います。

 あとデヴォン青木はモデルだけあってスゴくスタイルが良かった。ミニスカから伸びるカモシカのような足に「おぉ」と目を奪われると、そこに狙い澄ましたかのようにデヴォンのアップがドン。そこで慌てて「わっ」と我に返ったりして、そんな面でも油断のならない映画でありました。

(評価:★4)

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