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[コメント] 少林寺列伝(1976/香港)

 “少林寺”という言葉から思い起こされるもの、それらほぼ全てを網羅し、且つストーリーと呼べそうなものまで詰め込んで破綻を起こしていないという奇跡の映画。
にくじゃが

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 お話しはこれ以上ないくらい単純な、福建少林焼き討ち事件が下敷きになっているいつも通りのどうって事のない話。ただ、ショウブラオールスターが少林寺伝説のオールスターに扮し、見事な殺陣がいくつも展開されるというデラックス版。本当にデラックスだよ。デラックスすぎてあれだけ人がいるのに、あれだけだくさんの戦いが設定されているのに、ひとつひとつの戦いが短すぎ! もっとみせてぇ〜!

 登場人物が多すぎなので、『少林寺三十六房』のような一人の登場人物が全ての過程をクリアし達人になるという過程をたどることはない(時間の問題だろうな)。でもそれを逆手にとって(いるのかそうでないのかは知らん)、個々人別々の修行を行うことでそれぞれの分野のプロフェッショナルができていくというのは面白いと思った。まあ、ただ単に少林寺襲撃までの間に全ての過程をクリアできなかったというだけかもしれないけれども。

 76年当時のショウブラ功夫スターほぼ全てを揃えたラストバトルは圧巻、見所満載。ほんものの詠春拳高手であるティ・ロンが厳詠春(と方世玉)の師匠に教わった拳法(ああややこしい)を駆使した戦い、メチャかっこいいチー・クワンチュンの五獣拳、飛んでただけのフィリップ・クォクの戦い、少林寺映画の定番梅花椿、武器といえばこればっかりだけれども『ブラッドブラザース 刺馬』のころに比べるとずいぶんと上達したデビッド・チャンの三節棍、愛くるしいフー・シェンなど見所がありすぎるのに、ワイヤー・トランポリン・個人プレイ・コンビプレイ・一人対大勢などなど趣向を懲らしまくった殺陣が展開されるのに、オールスター映画で、見せ場が時間の問題でちょっとしかないから、ものすごく物足りない。いや、それぞれはとてもすごいのだけれども、もっともっとみたかったわあ。

(評価:★4)

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