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[コメント] 若者のすべて(1960/仏=伊)

ビスコンティワールドで徹底して描かれている退廃(没落)と嫉妬、この映画でも存分に生かされている。脚本に力を注いだことがよくわかる映画。
chokobo

彼は紛れもなくホモだ。そしてアラン・ドロンとの出会い。この映画にはその愛情と嫉妬心が奥深く根付いているような気がします。この作品で救われるのはアラン・ドロン扮するロッコだけです。もちろん映画のタイトルにもなっているんですから当たり前ですが、ヴィスコンティがロッコをアラン・ドロンに演じさせるというところに大きな意味があるのではないでしょうか?

アラン・ドロンは同じ年出世作となる『太陽がいっぱい』に出演し、さらにヴィスコンティの作品にも多く出演していますが、貴族の退廃という世界で甘えん坊の役をやらせるなら、この頃のアラン・ドロンしかいないと言い切れるほどマッチしてますもんね。

ヴィスコンティは明らかにアラン・ドロンを愛した。そしてこの作品で、ロッコにささやかな恋愛を与えました。しかし最後、あの残酷な兄によるレイプシーンですね。圧巻です。この心乱れるシーンには打ちひしがれます。だからなおさらロッコとナディアが二人でいるシーンが印象に残るんでしょうね。

これがイタリアの美学、貴族の心理なんですね。

(評価:★5)

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