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[コメント] Mr.&Mrs.スミス(2005/米)

いったい何を中心にして見ればよいのか。徹頭徹尾主演二人におんぶに抱っこで、監督がヘタだなあと思ってしまう作品。Tシャツで小さい笑いを取ってる場合ではないです。
ごう

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







Tシャツが『ファイト・クラブ』て。

恐らくシネスケのコメテの方であれば8割方オープニングカットでラストカットは想像できたはずで(だって『恋人たちの予感』そのままじゃねーか!)、そしてそれは外れなかったと言うある意味素直すぎるほど素直な作品です。この監督さん『ボーン・アイデンティティ』を撮られているそうですが、オレはあの作品決して嫌いじゃなかったんですよね。あっちコメントにも書いていますが至ってフツーの映画でそれなりのアクションをそれなりに撮っていたので文句のつけようもない★3だったのです。ところがこの映画は全くダメ。何だかもうこの監督さんの限界が見えたようでとっても悲しいのですが、ではなぜ『ボーン〜』は良くて今作はダメだったのでしょうか。それはもう偏に「演出として焦点がボヤけている」これにつきます。

前作では主人公の自分探しとアクション、これが並べて描けていました。というか自分探ししたら自動的にアクションせざるを得なくなると言う感じで直結してたから、多分普通にアクション撮っていけばそれで成立したんだと思います。ところが今回は夫婦の再生(そんなに大袈裟なものじゃないけれど)とアクションを並行で描こうとしている。これはシチュエーションをなぞるだけでは本来あまり並行して描くもではないだけにどちらも消化不良になってしまったのでしょう。

印象的なシーンとしてはブラピが離婚暦を告白するところなんかは非常に面白く、見ようによっちゃ人間離れしているアンジェリーナ・ジョリーが嫉妬している画がとっても可愛くてオレと二つ隣に座っていた見知らぬオネエチャンだけ笑いまくっていた素敵なシーンだったのですが、ここなんかはアクションの流れを遮らないようにあっさりと流している。かと思えばお互いが別々に家に向かっている最中の車中の会話などは時間をかけてこれでもかと煽る。終始こんな感じで見る側のモードが「恋愛モード」と「アクションモード」を微妙に行ったり来たりさせたまま終わってみたらホンワカ感も爽快感も微妙だったという感じになってます。台本的に見てもまあ穴はバリバリなんですが、それでももっと面白くなりそうな予感があっただけに非常に残念です。

でも一番の問題は製作者サイドも、ひょっとしたら監督も大スター二人のプロモーションビデオ作品レベルでいいやくらいに思っていたのに反して、主演二人の芝居がやたらと上手かったことなのかもしれません。もっとも本人たちは色ボケでそんなこと感じてる暇もなかったかもしれませんが。

(評価:★2)

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