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[コメント] フライング・タイガー(1942/米)

1942年制作故今では考えられない国際関係が描かれる。ストーリーテリングは深刻ぶらない。ジョン・キャロルが中国人孤児たちの前で手品ショーをやるシーンや、ジョン・ウェインアンナ・リーのダンスシーンの至福感がたまらない。
ジェリー

もっとも、両シーンとも、後続部分でその至福が長く続かないことも示される。総じてデヴィッド・ミラーの演出が小気味よい。。蒋介石の肖像でスタートするところで意表を突かれた。ラスト寸前に、祈るような眼で飛び立つ飛行部隊を見守るアンナ・リーの表情がとってもよい。登場人物は架空と思われるが兵士であり、前線で戦う人達への敬意がちゃんとにじみ出る。彼らの着用する皮のジャンパーが格好いい(背中に、国民党政府を支援する部隊であるという一種の証明が貼り付けられている)

モデルとなる志願部隊が実在したようで、部隊創設者の映画制作協力への感謝がエンドロールに記載されている。

部隊の飛行機が魅力的である。基地建物のすぐ近くに置いておけるコンパクトさがある。短い滑走距離で飛び立ってくれそうな感じがする。鮫の顔に愛嬌がある。航空機メーカーのカーティス・ライト社が制作に協力している。

模型を使っていると思われるが、戦闘シーンが予想以上の迫力がある。スクリーン・プロセスを使っていることが分かってしまうレベルなので、精密さは今一つだが、当時の技術的制約であり致し方ない。特撮責任者ハワード・ライデッカーの名も残しておきたい。できれば人名欄への記載を希望。

バージョンについて、調べたことを残しておくと、オリジナル版はモノクロである(IMDBによる)。デジタル着色版が1989年に版権登録されたことが着色版エンドロール部に出てくる。着色版の色彩には不自然感はなかった。それでも原制作者への敬意としてオリジナル版で見てみたい。

(評価:★3)

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