踊りと映画の関わりを歴史的に考察した貴重な一本でしょう。エジソンの撮ったフィルムも見られるし貴重な映像が盛り沢山。「ダンス」が映画と結びついたのは当然の結果であるという事ですね。

　興味深かったのはミュージカル映画の基礎を作ったバズビー・バークレイの未公開作品が見られる事。この人は早く生まれすぎた天才だと思う。万華鏡のような画面が素晴らしく感動しました。惜しいのはシネマスコープの映画をスタンダードの画面に押し込めてしまっている点。『いつも上天気』など、スタンダードだと三人のうち一人が欠けてしまうので味気ない。

　最後にマイケル・ジャクソンの“ＢＥＡＴ　ＩＴ”のビデオをジーン・ケリーが“ＴＨＡＴ′Ｓ　ＤＡＮＣＩＮＧ！”と紹介して終わっているのは不思議な感じがしました。