[コメント] クラッシュ(2005/米=独)
ただの群像劇なら、登場人物に対して「なんだかんだで、わかりあえてよかったね」と思うだろうが、差別問題を扱った社会派群像劇で「なんだかんだ」では駄目だろう。人間関係や登場人物の設定は考えられているのに、脚本の杜撰さが目立って、もったいなかった。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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人はぶつかりあって、お互いを理解する、というテーマなのだが、
黒人を差別する警官、それに怒る黒人→たまたまその黒人が事故にあったときに、これまた偶然にもその警官が通りかかり、黒人を助け出す→わかりあえた
イライラして家政婦にあたっていた女性→その女性がたまたま怪我をする→家政婦に心配され、女性も心を開き(?)わかりあえた
と、偶然が多すぎて、ご都合主義に思える。 差別とは、知り合いでもなんでもない、人生で一度きりしか顔をあわさない人に対してすることも多い(というかそれが大半)なわけで、このようなご都合主義では差別問題の一端すら描けているとは思えない。
また、ペルシャ人男性の行動が不自然なまでに短絡的すぎること、金髪警官がヒッチハイクで黒人を拾った後の行動の不自然さなど、納得がいかないところが多かった。 脚本の都合で決められた方向に動かしたいんだろうな、というのはわかったが、もう少しなとかならなかったのか、と。
妖精のマントのところも上手いエピソードだとは思うのだが、脚本全体にご都合主義が重なっているため、「ああ、またご都合主義か」と思え、まったく活きていない。 他の部分のご都合主義をなくして、妖精のマントのところだけ残したら、もっと活きただろうに、と残念。
★2か★3か迷いましたが、駄作というよりは、「惜しい」と思うところが多いので、★3です。
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