[コメント] 脅迫者(1951/米)
このあたりの経緯は、IBDbやWikipediaにも記述されていないが、製作がハワード・ヒューズ(クレジットでは「Presents」と最初に出る)ということで、だいたい推測できる。
まず、男優陣は非常に良い配役で、期待を持たせる。悪役側が先に登場し、ギャングの大物にロバート・ライアン。彼はホテル住まいなのか?取り巻きが詰めている、その奥の部屋から出て来るカットが「待ってました!」と声をかけたくなるような良いカットなのだ。後のシーンで、警察署長のロバート・ミッチャムが一人で乗り込んでくる部分があり、基本、このビッグネーム二人の対決の映画だ。脇役で目立つのが、珍しく正義側、警察官を演じるウィリアム・タルマンと、不正に関与している(ライアンの仲間でもある)検事補のレイ・コリンズと特別捜査官のウィリアム・コンラッドで、このあたりも、犯罪映画として、申し分のない配役だと思えるのだ。ただし、ヒロインのリザベス・スコットが物足りない出来で、ライアンの弟の情婦、という役で、登場時点で既に安っぽい役だと思う。ライアンあるいはミッチャムを誘惑しようとするぐらいの悪女なのかと期待したが、ほとんど二人とはキチンと絡まない、脇筋に機能するに過ぎないのだ。
とは云え、良いシーンもいくつかある。その一番は、ミッチャムの自宅が爆破されるカットだろう。これはなかなかのものだ。あと、ライアンが警察署にやって来て、タルマンと対峙するシーン。この後、ライアンの乗った車が逃走するカットの、スピード感の演出もいい。そして、検事補のコリンズと捜査官のコンラッドが、ライアンのボスでもある黒幕「the old man」の指示を受ける警察署の場面も私は良いと思う。ミッチャムらの動向含めて、分かりづらい見せ方ではあるが、緊張感は尋常じゃなく伝わってくる。
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