コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] スクラップ集団(1968/日)

田坂具隆の遺作はブラックな喜劇。やろうとしていることはよく判るが、演出は泥臭く垢抜けない。特に象の解体シーンやゴミの山でのネズミの襲撃シーンはくど過ぎる演出だ。
ゑぎ

 渥美清はこの1968年に『白昼堂々』と本作と二本の炭鉱を舞台にした映画に主演している。もっとも主演と云っても二作共群像劇の中で一番目立つ存在というレベルであって純然たる主軸ではない。また二本ともどちらかと云えば渥美清の「やんちゃ」な一面よりも「心優しき」一面が表に出ていて、初期寅さんや森崎東女は度胸』『男は愛嬌』で演じたキレの良さはまだこゝでは見られない。そういう意味でこの当時の渥美清主演作として見ても少々失望を感じてしまうのだが、このようなキャラクターは『拝啓天皇陛下様』(1963)の「山正」の亜流だと考えれば合点がいく。渥美清の真の魅力は『男はつらいよ』(1969)で弾けるのを待つ必要がある。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。