[コメント] 都市の夏(1969/独)
ヴェンダースの最高傑作だろうな。全てがヴェンダース。ヴェンダースのやりたいこと、ヴェンダースの好きなこと、ヴェンダースの考えていること、全て焼き付けられている。ヴェンダースらしい無駄も。
ヴェンダースが抱き続けるアメリカへの憧憬、ドイツへの理不尽な嫌悪、映画における映画的時間の排除、すべてとても判りやすい形で表現されている。判りやすい、とは云っても、説明的なのではなく、観る者の感性に委ねられたかたちで。どんよりとした寒そうな風景に、明るいアメリカ(イギリス人だけれど)の音楽が流れる。自販機やボブ・ディランと、雪、雪、雪。
ビリヤードが終わるまで、トンネルから抜けるまで、カットは途切れない。会話が乗らなくても、煙草が消えても、そこに時間はある。
あれだけ正反対だったファスビンダーと、なんだか画面の質感が似ているのが非常におもしろい。
それにしても洗練されていなくていい。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (0 人) | 投票はまだありません |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。