[コメント] 美しい夜、残酷な朝(2004/香港=韓国=日)
オムニバスの三話とも、ある意味「映画らしさ」を象徴しています。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
第一話:「人肉餃子」という一発アイデアは個人的にも興味深く惹かれました。しかし、40分程度の枠の中では起承転結は達成されず、起と承で終わってしまう。まさに一発のアイデアを見せるだけの代物だった。
これがTVの作品ならば完結しないドラマは非難の対象になるのだろうが、そこは「映画」という甘えの構造、さらに言えば緩慢な態度さえ読めてくる。
第二話:三池崇史が監督した本作は、さらに酷くドラマ性を最初から放棄したかのようである。イメージ画像を優先させ、仮面であったりアングラ劇であったり無機質な部屋であったりする。ドラマとして伝わるものは何も無い。あるのは画像のイメージのみであった。これはよくある高尚な芸術映画の手法に似ていて、わかる者はわかれば良いという類の作品である。
いずれにしても短編という枠を前提にして、ドラマ性を放棄する。これもまさしく「映画的」である。
第三話:3作品中、唯一起承転結が存在する作品であり、40分の枠内を上手に使いきった感がある。短編映画としてはこれが当然なのだが、香港・日本の前2作の出来の悪さを鑑賞した後ではこれが良作に思えてしまうメリットがあった。
金を払って、イ・ビョンホンを観にいくなり、サディスティック描写を堪能するなり、本当にたったそれだけの作品でしかない。意味の無いスプラッター劇は当然のことながらTVで家族鑑賞する代物ではない為、これもまた「映画的」な作品。
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