殿山泰司演じる坊さん「死んだらどこ行くかあっちゅうことを考えてみても　誰にもわかるもんやない　わからんでええ　わからんでもええ　わからんからこそ　幸せや」 いい表情しよる。最高のツカミ。

クロスカットされるのは、買い物かごをもって外を歩く池玲子。 彼女はそのまま墓場を通り、ドアを開け入った部屋には無造作に下着が干してある。 でもって、威勢よくシャツを脱ぐと下着はつけていない。 そして、おばちゃんが食べてる干し芋だかを奪ってもぐもぐしながら、そのままショーが行われているステージへ向かう。 ステージには既に別の踊り子がおり、横になっているさまが俯瞰でとらえられ、そこに池玲子がフレームインし、レズショーがはじまる。

客席には、ぼわーんとした顔でステージをみつめる山城新伍がいて、カメラが左にパンすると学生服でカモフラージュしている刑事の川谷拓三だ。 ここまでの流れが、本当に素晴らしくゾクゾクさせられる。

中盤、狭い楽屋に踊り子とヒモたちがひしめきあっているさまも、なんともいえない温かみが感じられる。

それでいて、ラストの、それまでとは明らかにトーンの異なる、いかにも60〜70年代っぽいドライな、反抗心溢れる締め方。 単なる遊び心なのかもしれないが、一筋縄では行かない驚きと登場キャラクターへの愛情に最後まで貫かれていた。