コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 鉄道のロマンス(1903/米)

6カットの短編。ワンカット目は駅のホーム。画面左に白いドレスを着た女性が座っている。右奥から白いスーツの男性が近づき会話する。
ゑぎ

 男性はホームに鞄を置くが、ラカワナ鉄道のロゴの入った鞄。後景には汽車が走る。2人は知り合いだと分かる。恋人どうしか。連れだってホームを右へ歩いて行く(フレームアウトはしない)

 線路のある空(カラ)の風景。ラカワナ鉄道の大きな看板が目立つ。右から列車が入ってくる(フレームイン)。停車すると今度は左から先の白い服の男女が入ってきて、列車に乗る。

 左へゆっくり動き出す汽車のショット。最後尾のデッキに白い服の男女が立ってこちら(カメラ側)に向かってハンカチを振る。列車の動きに合わせて、少し左へパンする。

 最後尾のデッキに座り、景色を見て会話する2人を、後ろに取り付けた(特別なかたちで取り付けたと思しき)車両から撮影した移動ショット。画面左には、峡谷や森のような景色が流れる。途中で車掌が現れるとともに、少し右にパンし、白い服の男性と車掌が何やら会話する。次のショットの段取りか。

 停車した最後尾車両の外で結婚式を行う白い服の男女とデッキの上で司式する男性。この司式者は白い法衣を着ており、白い頭(白髪)だが、カツラなのかもしれない。男女はキスをする。なんとも可愛らしいショット。

 最後に、左へゆっくり動いている列車が停車する。その横からのショット。目的地に到着したということだろう。車両ドアから乗客が降りて来る。車掌は踏み台を出す。白い服の男女も降りる。その後、前方(画面では左側)の車両下から2人の男性が出現する。2人とも盛装(タキシードに山高帽)。結婚式に参列してもおかしくない恰好だ。駅員も出てきて、2人の男の服のホコリを払おうとするが、男たちはそれを拒否して歩き去る。立ち尽くしてちょっと怒ったような表情をする駅員。

 ということで、白い服の3人と盛装の2人という人物を登場させ、いずれもクリーンなイメージで徹底し、煤のつなかいラカワナ鉄道を宣伝することが目的のPR映画らしいのだが、しかし、ラストの2人の男はいったい何なのだ。なぜ車両下から登場するのだろう。私は一瞬、ホーボー(『北国の帝王』のリー・マーヴィンみたいな)かと思った。しかし、このナンセンスなプロットのツイストには驚く。落着きの悪いエンディングだが、その唐突さとナンセンスさには、キャッチさせる効果がある。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (0 人)投票はまだありません

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。