[コメント] ダスト・トゥ・グローリー(2005/米)
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『ステップ・イントゥ・リキッド』のときにも思ったのだが、ダナ・ブラウンは扱った題材のメインストリームでは無い人(言うなれば裏方さん)や、人物の人間性を語る裏エピソードを、シーンの間に織り込むのが実に上手い。
本作では、山頂のテントで暴風に耐えながら救援部隊の通信を手助けする”ウェザーマン”のシーンや、貧しい地元の子供達と触れ合う心優しいラリーストのシーン、ワークスライダーが自分を目指すファンの子供にジャージーをプレゼントするシーン、アクシデントに遭遇し満身創痍のライダーを親友のライダーが先導するシーンなどが、涙を誘った。
レース・シーンも良かった。砂漠を疾駆するワークスマシンXR650の姿は誰が見ても格好いい! 特に痺れたのは、砂漠と海岸に分かれて、激しいトップ争いをするHondaワークスのライダーをヘリコプター・カメラで追いかけるシーン。極限までリスクを冒して疾走するライダーの勇気が画面一杯に伝わってきたのは、本物のレースを撮ったものだからだろう。
しかし、それにしても過酷なレースだ。これを見ると、レースというのは、マシンの戦いではなく、人間の精神力の戦いなのだということを痛感させられる。もし、BAJA参戦を、エンデューロ・レースなどの延長戦として安易に考えている人がいたら、この映画を観て考えを改めるべきだろう。心身ともに本当にタフでないと、どんなに技術があってもBAJAを完走することはできない気がする。
話は変わるが、ダナ・ブラウンの次回作は、ハワイ・ノースショアを舞台にしたサーフィン・コンテストがテーマの映画だそうだ。今度は、是非、アスリートとしてのサーファーの凄さを熱く見せていただきたい。
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