[コメント] グエムル 漢江の怪物(2006/韓国)
何の前触れも無く平然と登場し、
群衆を蹴散らすグエムルさんにはビビってたじろぎ、下水溝での悪戦苦闘には手に汗握り、弓引くペ・ドゥナ先生には興奮しと、十二分に面白い映画だったのですが。お腹一杯大満足で劇場を後にしたかと言うと「うーん…」と唸ってしまいます。
シリアスな場面で殊更に挿入されるギャグ。定型から逸脱した展開。どうもこういった捻り、作為が煩わしく感じられてしまったのです。同じ監督の映画でも『ほえる犬は噛まない』のような小品であればこの種の芸風も好ましく感じられました。しかしわたくしは「怪獣映画」にはやはり変化球よりも直球、あるいは大暴投を求めてしまいます。
例えば薬品の散布で無人となった街並。あるいは洋上を進む第七艦隊。そういった日常が崩壊、変貌してしまう光景、その後の大状況の活写をこそ望んでしまうのです。端からそういった欲望に応えるつもりの作品ではなく、これ無いものネダリと言われたらそれまでなのですが。
蛇足: 巷では『WXIII』のパクリとか騒がれているそうですが。確かにクリーチャーの外見は似てなくもないですが、お話は全然別物、カレーとおせち程に違うぜよと思いました。なるべく色眼鏡をかけず、実物に接した上で判定を下すべきではないかと。
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