[コメント] ボヴァリィ夫人(1933/仏)
悪い映画じゃないんだが、ネロネロ波、出てたと思う。
映画の撮られた時代から、1世紀くらい前の時代を描いているのか。こういう一人の女性の心性を確認する意義が、まだあったのだろう。言わば、自分の感情の発露に忠実に生きようとした女性。時代は、彼女の取る行動のすべてを認めるところまではいってなかった。だがもっと前の時代であれば、感情の発露自体が認められなかったであろう。そんな時代の狭間に落ち込んだ女性を描くことで、時代の変わり目を描いている。悲劇として終わるから、後世(映画の撮られた「現代」)を必ずしも一方的に肯定はしていない、のではないか。
ジャン・ルノワールが、この題材を撮りたいと考えた意図が興味深い。まぁ、彼のオーソドックスな文体というか、悠長で確実なテンポ感が、どうも体質的に合わない、というだけです。
60/100(08/04/23記)
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