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[コメント] トゥモロー・ワールド(2006/米)

カメラを意図的に意識させる映画を初めて見た気がする。(2012/2/23)
chokobo

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







すでに多くのコメントにもある通り、カメラに血しぶきが飛び散ってそのまま長回しで追いかける映像をこれまで見た記憶がない。茶番になってもおかしくないシーンだがカメラは無遠慮に生死をさまようような戦場の主人公を追いかける。追い詰められた主人公は飛び交う弾劾とカメラを避けるように逃げ惑う。緊迫したシーンだった。

絶望の中で生きる人々へ問いかけるのは行き場のない無力感だ。全く救いがない。

前半に流れるディープ・パープルやレッド・ツェッペリンの名曲が流れる未来は、今の我々からすると懐メロだ。全く未来っぽさがない。

テロの隠れ家にせよ、終盤の戦闘シーンにせよ、未来とするにはあまりにもアナログだ。

むしろ戦闘シーンの迫力は、過去のどの戦争映画よりもリアルだし、臨場感にがある。

即ちこの映画は「現実」を映し出そうとするもので、決して近未来をデフォルメするものではない。

「人」という生産性を失った時点で発展は止まり、絶望と無気力感が支配する社会。

これは『いまそこにある危機』なんだと思う。

(評価:★4)

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