[コメント] テキサス・チェーンソー ビギニング(2006/米)
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『悪魔のいけにえ』からのファンは、もう何回同じようなストーリーを体験すればいいのだろうか(苦笑)。設定自体、卑怯なくらい魅力的なわけで今回は「二番煎じ」とも違う。かといって脱皮した前作から更に脱皮した秀作でもない。個人的にこれは「スパイスをちょっと変えて、もう1回撮りました」くらいのレベルに留まっていると感じた。原題に「The Beginning」とある通り、前日譚なわけだが、精肉工場を閉鎖された彼らが侵入者を仕留めるようになった、その「きっかけ」程度しか描かれておらず、消化不良もいいところだ。トーマス(レザーフェイス)の出生の秘密こそ描かれたが、彼を拾うことになる一家の謎は“一切”触れられず。生い立ちに限っては写真のダイジェストだけという数分も掛からない映像編集のみで描写されるだけである。確かに失業してからの第一の獲物を仕留めたという意味では原題の通りなんだろうが、ものの30分そこらで前作となんら変化ない基本の展開をするだけだとは、正直びっくりしてしまった。もう少し、生い立ちや家族オンリーの描写に時間を費やすべきだった…。
レザーフェイスはジェイソンに通じる不幸な過去が存在して、オリジナルでもそうだが、感情が揺さぶられるシーンが見所の1つである。しかしそれさえ皆無で、ちょっと殺戮マシーンにしか思えないという悪いところが目立ってしまった。
それでもオリジナルを意識した演出だって存在した。まず前作で描かれなかった(と思う…)食事シーンがあったり、オリジナルでも終盤を盛り上げた窓から闇夜への脱出!があったり。こういう演出は嬉しかった。また若者もたった4人だけであり、時間を掛けてじわりじわりなぶり殺すイヤ〜な気持ち悪さはかなり伝わってきた(そう、彼らに時間を費やしすぎなんだよなぁ笑)。また、逞しそうなあんちゃんが無惨にも切り刻まれたりと、とことん絶望へ追い込んでいく展開にはニヤリっ。
スプラッター映画(の誕生)は、ベトナム戦争の暗い影響を強く受けている場合が多く、これも十分に生かし切れていないものの、リンクさせている点は良かった。しかし、これから徴兵されるというエリックとディーンの「対の関係」と、その「結論」は最低限劇中に盛り込むべきだったと思う(「反骨」でも「偽善」でも何でも構わない!アメリカは戦争の真っ只中なんだから!)
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