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[コメント] シャボン玉エレジー(1999/日=オランダ)

アムステルダム・ウェイステッド!よりこちらのほうが好きです
ExproZombiCreator

この監督は『アムステルダム・ウェイステッド!』でヒットを経験している、南アフリカ生まれでオランダ移民という監督ですが、実生活でも大麻中毒(蘭人なんで合法です!)だったり、別名義で世界初の携帯動画映画作品を撮ったり、SM嬢の親友がいたり、なぜか酒鬼薔薇聖斗や三島由紀夫に詳しかったり、映画制作にあたり、政府から受給できるアーティスト補助金の受け取りを断るといった日本共産党のような姿勢を見せるなど、相当変わった人柄をしています。

今作はその謎めいた人柄と同様不可思議な要素が数多く散りばめられており、物語とは全く関係のない右翼団体の街宣車を即興で撮ったり、映画出演経験無しのAV女優を主役にしたり、スト2のキャラボイスを効果音として使用したり、当時としてはかなり珍しいデジタルビデオカメラを導入したりとやりたい放題です。

内容は観念の塊のような作品で、難解の極みでありますが、そもそもオランダという国はアートを非常に身近なものとして考えており、今作に関しましても「理解する」というスタンスで鑑賞する事自体間違っているのかもしれません。監督自身のトラウマを反映したという重苦しい雰囲気は独特のものがあり、事実トラウマを軸としたプロットになっています。寂しい気分の夜に、布団をかぶりつつ部屋を真っ暗にして眺めるようなタイプの映画です。 余談ですが、基本的には恋愛生活がメイン(トム・ホフマン談)の作品とのことですが、星乃舞がヤクザの精液を、鎖に繋がれ拷問にかけられた正義のヒーローよろしく、ペッ!と吐き出すシーンがやたら恰好良く撮れていたりします。

(評価:★4)

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